2011年12月に2冊の本を出版しました |
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ソーシャル・ネットワークと組織のダイナミックス―共感のマネジメント』(2011、有斐閣)は、古典的なヒエラルキーから最新のネットワークへ至る現代企業のマネジメント理論の刷新をわかりやすく解説したもので、ソーシャル・ネットワークの視点からの組織とマネジメント実践入門です。ビジネス・パーソン、MBAや組織論を学ぶ諸学生、経済社会学やネットワーク分析に関心を持つ研究者を対象としています。組織とネットワークに関する入門テキストであり、純粋な学術書ではなく、マネジメントに携わる実務家への啓蒙書としての性格を持つものです。人間が作る組織を考える際に、経営者としてトップやミドル・マネジメントが考えるべきネットワーク分析の概念を説明しながら、それらをどのようにしてビジネス実務に応用し、競争力のあるビジネスやダイナミックな組織を作るかに主眼を置いています。ソーシャル・ネットワークでの「評判」や「共感」を重視し,インフォーマルなつながりを志向するマネジメントの意味と重要性を説き、コミュニケーションを活性化させイノベーションを生み出す組織のデザインなど、現代のマネジメントに必要な組織観の変化を説明しています。 翻訳書 デヴィッド・スターク著『多様性とイノベーション―価値体系のマネジメントと組織のネットワーク・ダイナミズム』(マグロウヒル/日本経済新聞社)は、David Stark, The Sense of Dissonance:
Accounts of Worth in Economic Life の全訳です。ニューヨーク・コロンビア大学の著名な組織社会学者である著者は、古典的なアメリカ実践哲学におけるジョン・デユーイの「探求」の概念から、現代のグーグルのサーチ・エンジンまで、伝統的なカテゴリーによる分類概念を思考の基本とする硬直性から解放され、消費者と商品との結びつきの関係性を利用した検索エンジンの時代への知のあり方の変化を解説します。9.11テロ前後のウォール・ストリート、社会主義が崩壊しつつあった東欧の機械工場、IT産業のソフトウエア開発のスタート・アップ企業の現場にフィールドワークから深く切り込み、制度論・組織生態学・ネットワーク分析の諸概念をフレームワークとして、組織文化の多様性・多義性がイノベーションを生むと主張しています。中央集権的なヒエラルキーを超え、企業内に知を分散的に広げる「ヘテラルキー型」のマネジメントです。多様性のある組織文化と組織の原理を経済社会学の視点から捉え、組織やプロジェクト・マネジメントにおける現代のマネジメントへの斬新な指針を提示します。学術的に深い実務書です。 |
単著 『ソーシャル・ネットワークと組織のダイナミクス―共感のマネジメント』(2011 有斐閣)
(Social Networks and Organizational Dynamics: Action, Empathy and Innovations
in Management)
“Acyclic Depth Partition of A Complex Network: Hierarchies among Industries Embedded in Subcontracting Relationships of a Large-Scale Industrial District.” 理論と方法 (Sociological Theory and Methods), Vol. 18. Pp. 71-87. 2003
A Paradox of Embeddedness: Social Network Analysis of a Japanese Industrial
District. Ph.D. Dissertation. Department of Sociology, Graduate School of Arts
and Sciences, Columbia University, New York, NY. May 2002